~出店者インタビュー~

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― どのような商品を扱っていらっしゃいますか?

かばんを中心に、革手袋、傘を主力商品とした婦人雑貨を手がけています。幅広い世代のお客様にアピールできる商品選定を行っていまして、価格帯も2千円から2万円くらいのものまで取り揃えています。

― 貴社のこだわりを教えてください。

よそでは扱っていないハンドメイドの商品の目利きにこだわっています。ハンドメイド作家さんの商品は、純粋なアートそのものではありません。だからといって、あまりに商業により過ぎてしまうと、その作家さんの個性が失われてしまうことにもなりかねません。わたしたちのような存在は、そのバランスをとる役割も果たしているのではないかと思っています。
商品の目利きだけでなく、売場での見せ方にもこだわっています。商品をお客様に手に取っていただく接点として展示の重要性を意識して心を配ることで、他社とは違う自社のこだわりを表現できるのではないかと考えています。

― 吉祥寺の印象はいかがでしょうか?

吉祥寺は、特定の層に偏ることなく、様々な方々がいらっしゃるところが魅力です。仕事柄たくさんの街を見てきましたが、店頭のごちゃっとした感じの魅力はやや減った気がするものの、多くの街がどこも似たような雰囲気の街並みになってきている中では、吉祥寺にはまだ街の個性が感じられます。

― ポップアップストアの魅力とは何でしょうか?

一般的な店舗は、多くの場合、その土地柄によって客層が固定化されてしまいがちです。対して、ポップアップストアは様々なお客様と触れ合える可能性があり、そうした場所を選んでいます。普通の店舗よりお客様との距離感が近く、コミュニケーションがとりやすいのは利点です。面と向かったコミュニケーションの大切さを実感していますが、同時に、若い方々を意識して、インターネット上の情報とポップアップストアをつなげていくことにも力をいれていきたいと考えています。
ポップアップストアの一番の魅力は、日時や場所などの自由度の高さです。普通の店舗や従来の催事ではオーナー側の意向が強いものですが、出店社側からより主体的に選択できることこそポップアップストアの仕組みの意義ではないかと思います。今後は、商売という側面だけでなく、若い人たちのチャレンジや高齢者の生きがいの場としても広がりを見せるのではないでしょうか。どの街にも同じブランドが増えてきて代り映えがしなくなっていると言われていますが、ポップアップストアは街に変化をつけられる存在になるかもしれませんね。

■鞄のHAYAMA/代表取締役・巴山謙一様